概念と仕組み
水は通すものの特定の溶質は通さない膜では、水の化学ポテンシャルの差によって正味の水移動が生じます。水は希薄な側から濃い側へ移動する傾向があります。
外側の不透過性物質の濃度が低い場合、水が細胞に入り、体積が増加します。逆に、外側の濃度が非常に高い場合、水が排出され、体積が減少します。
関係式と成立条件
内部の溶質量が一定なら、実験の理想的な平衡関係はV/V₀=C_initial_inside/C_outsideです。C_initial_insideは内部の初期濃度、C_outsideは外部濃度を表します。内部濃度は水の移動によって変わるため、初期値に固定し続けるわけではありません。
この式では、膜を隔てた圧力差や細胞壁の弾性などを省略しています。実際の等張性は、全溶質の総濃度だけでなく、膜の透過性にも左右されます。
仮想実験で読み取る変化
高張液では水が純流出して細胞が小さくなります。低張液では純流入して大きくなり、動物細胞は溶血、植物細胞は膨圧を示します。
水だけが膜を通過し、溶質のモル数は一定とする希薄溶液モデルです。正味の移動は指数関数的に平衡へ近づきます。赤血球のV/V₀>1.6を仮想的な溶血限界とし、その後は体積計算と水の移動を止めます。植物細胞には1.15という人工的な上限を使います。膨圧は濃度差に比例する相対値で、実際の圧力ではありません。実際の細胞の定量予測には使えません。
重要な関係式と記号
理想平衡 V/V₀ = Cᵢₙ,₀/Cₒᵤₜ
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| V, V₀ | 最終・初期体積 | 相対体積 |
| C | 膜を通過しない溶質の濃度 | mol/体積 |
例で確かめる
低張液の中で植物細胞が無限に膨らまないのはなぜ?
水だけを通過する膜を想定します。植物では細胞壁と膨圧が水の純流入に対抗し、このモデルはV/V₀を1.15に制限します。
よくある誤解
- 浸透において、溶質が必ずしも膜を通過する必要はありません。
